2011.11.15 - 遠藤剛熈美術館開館10周年記念 報告集
平成23(2011)年11月4日(金)
10周年記念の式典は、美術界の関係者のみならず、日本を代表する宗教界の各宗派のトップの多くの方々がご出席あるいはメッセージを寄せられ、美術館にとって大変重要な節目となるものでした。
テープカット:写真右から(敬称略)猿渡卓美、潮江宏三、中村文峰、大谷玅觀、大谷暢順、遠藤剛熈、粟津則雄、水谷幸正、上平 貢、野田泰通、石井幸男
記念式典会場風景
10周年記念の一環として、次のテーマで遠藤剛熈展も併せてオープンしました。
共生の芸術家 遠藤剛熈展
開館10周年記念 秋季特別展 2011年11月4日(金)〜11月30日(水)
心 生命 故郷
自然を信じ、尊び、愛し、自然に従い、学び、共生の真実を問う創作活動。
以下に、記念式典での来賓挨拶、メッセージを要約したかたちとなりますが、ご紹介させて頂きます。
[館長挨拶]
芸術は理想のための
人類の共同
純真な魂の謙遜な誠実と
愛と献身行為
遠 藤 剛 熈 (画家)
[来賓挨拶]
無類の生命力と集中力
本当の冒険
元金を賭け 損したら
ゼロになる仕事
粟 津 則 雄 (文学者、批評家、いわき市立草野心平記念文学館館長、芸術院会員)
[来賓挨拶]
最初から腹の据わった
気骨の画家 魂の作家
ゴッホの仕事に共通
土に立って赤裸に自然に向かっ
ていく 自然と一つになる
まさに自然と人間 精神として
の神佛の世界 大宇宙の生命力
に共感しながら生き続ける
上 平 貢(美術史家 元京都市美術館館長 元京都嵯峨芸術大学学長)
[来賓挨拶]
芸術の本質から離れた今日の状況下にあって 芸術の本質に繋がる一筋の閃光
デッサンと油彩に通底し共通するものは 何でもない平凡な主題 絵になりにくい自然の一角を見据える姿勢 仏教思想や実存主義など幅広い思想遍歴 存在の本質にじかに触れようとする力業 芸術の本具の深さ
潮 江 宏 三(美術史家 京都市美術館館長 前京都市立芸術大学学長)
[メッセージ]
独自な線的表現と近像的表現
自然と人間の生命が一体化し深化
する追究
木 村 重 信(美術史家 元国立国際美術館館長 元兵庫県立美術館館長
兵庫県立美術館名誉館長)
[映像紹介]
大変感動した 天才 稀なこと
一生を賭け 命を懸けている仕事
頼まれても めったに書かないが
自発的に 久し振りに力を入れて書いた
全部の作品を見たい 見なければ
そうでなければ一人の画家について語る
ことはできない
加 藤 周 一 (文学者、批評家)
[来賓挨拶]
遠藤剛熈は皮相な技巧や様式や流行にとらわれている今日の画壇を離れて独自の道を歩み 佛法と絵画が一つの境地に達した 佛画一如の精神の画僧である 佛法も絵画 芸術も中心となるものは同じである 要するに結局は 知性を超越した感性の世界でなければならない
美術館が佛法の道と絵画の道一如の寺院になることを切に祈念し 更なる前進を期待する
大 谷 暢 順(浄土真宗本山本願寺法主)
[来賓挨拶]
南禅寺は生きる力を発信している
その南禅寺へ十年 二十年描き
に来た遠藤剛熈が 生きる力を追
究してそれを絵画で表現して来た
この事を宗教者として理解し共
感する
中 村 文 峰(臨済宗南禅寺派管長)
[来賓挨拶]
宗教的真理と芸術的真理は一体になっている 佛の衆生済度の大慈悲への信仰が遠藤剛熈の六十年の画業の根本と中心にある
愚直に一筆に力をこめて 無器用な誠実をもって自分に出来る限りのことをする これは芸術と宗教が一つになった境地である
宗教と道徳と芸術が一つになった人間教育 情操教育の必要性に全く共感する 画家の志を真摯に受けとめそれが社会に実現することを切に念じる
水 谷 幸 正(佛教教育学園理事長)
[メッセージ]
風景や人物に直接対面して制作し傍観せず自然と一如になった共生の世界の中で作品を完成させている 芸術の道と佛教の道は一つとして永年絵画制作に精進して来た 衆生済度の佛の本願念佛への信仰が中心に在る まさに遠藤剛熈は宗教者的芸術家である 作品の中に神佛の風韻が感じられる
伊 藤 唯 眞(浄土宗総本山知恩院門跡)
[メッセージ]
遠藤剛熈美術館が自然と人間を
探究してゆく美術芸術の創造へ
これからも力強い発信をし発
展することを心より念願する
池 田 大 作(創価学会名誉会長)
[メッセージ]
世の人々の真実が問われる現在に
遠藤剛熈美術館にあふれる魂の鼓動は
多くの人々の心と共鳴し
人類の輝く未来の力になるものと確信する
清 島 啓 治 郎(パーフェクトリバティー教団理事長)
[懇親会 乾杯挨拶]
京都のエネルギーと底力 人々の力町衆の力 伝統を生み出す力 本阿弥光悦 俵屋宗達 尾形光琳 乾山兄弟 神坂雪佳などを生み出したのも京の町衆 今ここに京都の町衆の画家遠藤剛熈を育て見守る町衆エネルギーの存在を改めて実感 遠藤藝術の根底には京都の町衆の息吹がある
榊原吉郎(美術史家、京都市立芸術大学名誉教授)