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裸身の人間が大地に立って在る。


裸身の人間が大地に立って在る。


一人の人間が立って在る。
太古から現代まで変わらない、裸身の人間が立って在る。
自然(じねん)にあるということ、ただそれだけの何と美しく、尊く、不思議なことか!
画家はこのように自然の実在を一生見つづけ、愛しつづける。
固有名詞のついた人間を描くのではない。
固有名詞に執すること(独占欲、所有欲)が人類の争いの原因なのだ。
描く者も、描かれる者も、自分であって、自分ではない。
自我以前の、純粋な生命の根源[神・佛]から生かされている存在だ。
本来名も無い、言葉も無い、おのずからなる存在だ。
動物の中で人間は珍しく二本の足で立つ。歩く。
あまり速く走れず、高く飛べないので、車や飛行機を発明し、
ついにロケットで宇宙の果てまで行こうとする。
母なる大地に立つという人類の原点と初心から離れていく。

 
 
 
 
 
 

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